19世紀末から今日までの日本と海外の美術作品を収集しています。現在13,000点を超えるコレクションは、岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》、横山大観《生々流転》、上村松園《母子》などの近代日本を代表する重要文化財18点(うち2点は寄託作品)や、古賀春江《海》や東山魁夷《道》やといった教科書や全集でもおなじみの名作を中心に、日本画、洋画、版画、水彩、素描、彫刻、写真、映像など多様な作品を所蔵しています。
写真:古賀春江《海》1929年
美術館のコレクションを公開する所蔵作品展「MOMATコレクション」は、関連する海外の作品を交えながら、100年を超える日本近現代美術の流れを概観できる国内随一の展示です。年に数回の展示替えを行いながら、会期ごとに選りすぐりの約200点を3フロアにわたり紹介しています。また、幅広い時代やジャンル、著名な作家の個展など、時代や社会のエッセンスを取り入れた企画展を年に3~4回ほど開催しています。
美術館により親しんでいただくために、展覧会にあわせた講演会やギャラリートークの開催、鑑賞ツールの開発に取り組んでいます。近年では対話鑑賞のオンライン化やオンラインコンテンツの公開による鑑賞機会の拡充、また子ども・ファミリーからビジネスパーソンや訪日外国人向けまで、多様な利用者層へ向けたプログラムを展開しています。
美術館では、展覧会の企画・立案、教育活動の実施、作品の新規収蔵・展示・保全、資料収集や情報発信のための調査研究を日々おこなっています。その成果は展覧会、コレクション、ライブラリ、イベントの充実などの形で皆さまに還元されています。
アートライブラリは、美術に関する調査研究の基盤として、国内外の近代美術を中心とする資料の収集・整理・保存・公開に取り組んでいます。図書やカタログ 約15万冊、雑誌約5,500タイトルを所蔵し、研究者や学生、一般の方々にご利用いただいています。オンライン上では、「東京国立近代美術館リポジトリ」を通して、美術館の活動や調査研究の成果を世界に向けて発信し、後世に資料を遺していくため、歴史的にも貴重な資料や記録のデジタル化にも力を入れています。